西穂高〜奥穂高縦走の旅
 ・2日目(西穂高山頂〜)

  さあ、ここ西穂高山頂で休憩後いよいよこの先の選択。ほとんどの登山家はここがゴールで下山してゆく。わたしたちはまだここがスタートラインでこれから進もうとしてる。唯一わたしたちが進もうとしている道と同じ道をゆこうとしているグループが1つ。いかにも登山できたえあげられている成人男性3人組。ヘルメット完全装備。そんな男性たちが「いや、このガレ場は予想以上だね。」となんと彼らさえびびっているのだ!! さすがにそんな様子をみてわたしもびびった。目の前にひろがる道は急で岩でガレガレで浮石だらけ。尾根づたいに進むのだけど両脇断崖絶壁。まずは彼らを見送る。あっという間に見えなくなる。天気ももやがかかって、、、時間的にも進むなら一刻も早くスタートしなければならない、、。究極の選択、、、。とにかくまだ時間も早いのでいけるだけ進んでみることにした。ちょっと進んで無理そうなら引き返す勇気をもつことを宣言し。

  
  写真でみるとたいしたことないように見えるかもしれないけど、、、わたしがつかんでいるのは岩場に打ち付けられた鎖、、、そんでもってその下は崖なのです。まだ、この辺は足場が安定していたのでまだちょっと余裕があったかも。
  途中赤石岳があったのだけど、看板などあったのか気づかず通過。
  また「岩に間ノ岳→」ってのがかいてあったそろそろかな?って思いながら進んでたんだけど、実はそこが間ノ岳だったらしい、、。







  おーっとここは、垂直な岩壁です。手や足をかける場所が少ないためここにも垂直な鎖が、、、、。これは上から下に下りているところです。まだまだコツがつかめなくてやみくもに足場を探して降りてます。ほんとは一歩進むごとに左右をみて次の足場を確定させて進むのが常識! でもこれも最後の頃にはいっぱしの登山家っぽくなっていったのです。
  この辺は安全だろうと思って足をついた場所が浮石でひやって場面が何度かありました、、、。登ろうとつかんだ石が浮石だったり、、、。ほんとに気がぬけません。
  また、途中であまりにも大変で写真はとれなかったのですが、この弁は逆層のスラブ(階段状なんだけど、逆?)で手や足をひっかけられず長い鎖と腕力が頼り、、、という場所も。





  ふ〜、なんとか天狗岳(2909M)に到着! 何度か足の短さで足場に届かなくてひやっとしたりなんかしたけれど我ながら頑張って無事ここまできた。それにしてもこの尾根沿いに山小屋もテントも建てられないわけだね。平らな場所なんて全然ないもの。そうそう、途中野生の雷鳥の親子にも出会いました!






  おー、これから進む道。ますます厳しくなっていく。この辺は砂礫の多い斜面でスリップ注意。それにしてもいったいいくつの山を登ったり降りたりしたことか、、、。普通の登山だと山の周りをぐるぐる登るから一つの山でも時間がかかるけど、こここは、とにかく垂直にひたすら山を降りては今度はひとすら垂直に登るを繰り返す、、、。だからいくつもの小さな山を制覇していくことになる。それから、普通は登りは息がきれるけど、下りは勝手に足が進むから下りがくると嬉しくなる。ところがこんな山は、登りは手と足をつかって一歩一歩登っていけばよいけれど、下りは足はとられやすいし、気が抜けず登りのほうがほっとするから不思議なものだ、、、。 
 


  ちょっとはこの危険な感じ伝わるかな? こんな細いつかまる場所もない岩場、、、両脇絶壁。風が吹いてなくてほんとによかった!







 
 
 目の前の山は知るひとぞ知る、、、「ジャンヌダルム」(3178M)なのであります。ほんとに大きな一つ岩山のようでした。ジャンヌダルムに至る前、、、一度道を見失いました、、、気がつくと方向を示す矢印も○も見当たらない、、、。や、やばい! 道をはずれるということはそこが安全であるという保証がないのです。人が歩いた後もみあたらない、、。っていうか前後にほとんど他の登山者もいなかったので、、、。しばらくさまよいなんとか矢印発見。後できいたらよくベテランの登山者もその辺は道を見失いやすいとのこと、、、。





  
  これが最後の休憩とラストロード。ここが最大の難所?目の前の一番高いところが奥穂高頂上。かすかに登山者が見えます。目の前のとんがった尾根わかりますか?頂上あたりまでが「馬の背」と呼ばれ、手前の一番とんがってる辺りが「ナイフリッジ」っていうんですよ! なんとあの三角柱の一辺のようなとんがった部分、、、それにそって進んでいったのです。もちろん危険すぎて写真はありません、、、。岩にはりつくようにして、、一歩、一歩。右にも左にもちょっとでもバランスくずしたら、、、命綱があるわけでもなく、、、。



  無事奥穂高岳(3190M)に到着。予定よりも若干早めに着いた。ほんと明るいうちに着けてよかった。あんなとこちょっとでも暗くなったら立ち往生だよ。今回は途中ほとんど人に会わなかったけど、ここ頂上は、涸沢側から登ってきた人、北穂高側から登ってきた人が合流してにぎわっていた。ナイフリッジを登ってるときは必死で目の前しかみてなかったけど、登頂後客観的に今来た道を振り返るとひえ〜! よくあんなとこ無事に登ってきたもんだ、、、。   

2日目(3)へ続